分子ロボットRRI洞察ワークショップ(2018年2月18日,東工大田町CIC)
投稿日:2017/12/26
分子ロボティクス分野は萌芽的な先端領域であるが故に、その領域が持つ倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal, and Social Implications: ELSI)を論じることは容易ではない。そこで欧州を中心に議論されている「責任ある研究・イノベーション(Responsible Research & Innovation: RRI)」の観点から、どのような状態が達成されれば分子ロボティクス分野におけるRRIが実現されるのかについて洞察する。本ワークショップでは、過去にELSIについて検討を行った事例の検討と共有を基盤として、分子ロボティクスがどのような社会的インパクトを持ちうるかについて想像し、実際に研究開発に関わる研究者、政策担当者、ジャーナリストらと議論を行うことで論点抽出を行う。また、そこで得られた論点をインフォグラフィクスとして構造的に可視化し、今後の分子ロボティクスELSIガイドライン作成ならびにリアルタイムテクノロジーアセスメントを推進するための基礎資料とする。
「分子ロボットRRI洞察ワークショップ」
日時:2018年02月18日(日)10:00-17:20
場所:東京工業大学田町CIC 1F国際会議室
参加費:無料(事前の登録をお願いします)
ワークショップ世話人:
小長谷 明彦(東京工業大学)
標葉 隆馬(成城大学)
吉澤 剛 (大阪大学)
<ワークショップ概要>
PART1:先行事例の共有
1.再生医療分野における学会としての取り組みについての共有
再生医療学会は学会としての指針作成、ナショナルコンソーシアムの形成、またリスクコミュニケーション活動や各種の声明を積極的に社会に発信するなどの活動を行っている。今後分子ロボティクス分野が拡大し、また医療応用が見えてきた将来においてコミュニティとしての発信がますます必要となった時に、再生医療学会の経験は参考になることが想定される。このような視点から再生医療学会における知見の共有を頂き、議論を行う。
2.人工知能学会倫理指針の含意と策定プロセスの知見を学ぶ
近年、国内外において人工知能におけるガバナンスや倫理の議論が行われている。多様なステイクホルダーを巻き込んだ議論のプロセスの設計や内容について共有いただき、今後のELSIガイドライン作成の参考とする。
3.科学技術行政の立場から見た先端萌芽領域のELSIとガバナンス
先端萌芽領域のガバナンスはどのように行い得るのかについて、科学技術行政の立場から見た場合の知見について講演を頂く。また分子ロボティクス領域が今後RRIを実現していく上で期待される事柄についての意見交換を行う。
4.分子ロボティクス分野に関するTAノートの共有
分子ロボティクス分野におけるELSI議論の内容とガイドライン作成の試みについて共有し、Part2における議論に必要な情報の共有を行う。
PART2:分子ロボティクスELSIワークショップ
後半では、Part1で共有した内容についてミニLesson Learning形式での議論を行う。議論は、チャタムハウスルールで行う。参加メンバーは2~3のテーブルに分かれ、各テーブルにはファシリテーターを配置する。
また、得られた議論の結果は、インフォグラフィクスの専門家による可視化・構造化を行い、今後の分子ロボ分野におけるELSI・RRIの議論のための基盤資料として活用する。
<当日スケジュール>
Part 1 (10時~ 12時50分)
10:00~10:05? ? イントロダクション
10:05~10:40 小長谷 明彦(東京工業大学)
「分子ロボットについての知見共有」
10:40~11:20 八代 嘉美(京都大学 iPS細胞研究所)・ 眞野恭輔(一般社団法人日本再生医療学会?事務局長)
「再生医療分野の取り組みについての知見共有」
休憩(10分)
11:30~12:10 江間 有沙(東京大学)
「IEEEにおける倫理指針取り組みについての知見共有」
12:10~12:50 菱山 豊(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)
「科学技術行政の視点についての知見共有」
昼休み(70分)
Part2 (14時~17時00分)
14:00~14:15 標葉 隆馬(成城大学)・吉澤剛(大阪大学)
「分子ロボティクスTAノートの共有」
14:15~15:15 ディスカッション①:分子ロボ分野の未来洞察
休憩(20分)
15:35~16:35 ディスカッション②:テーマ別議論
休憩(10分)
16:45~17:00 議論のまとめ
18:00ころより、田町周辺にて意見交換会(5000円程度(税込))を予定しております。