DNA、微小管、分子モータなどの生体分子を用いて、人工筋肉を創成するプロジェクトを進めています。
・NEDO次世代人工知能・ロボット中核技術開発「生体分子を用いたロボットの研究開発」(代表小長谷明彦, 2016-2019年度)
研究目標
分子人工筋肉の創成
研究メンバー
小長谷明彦(東京工業大学)
上野豊(産業技術総合研究所)
石原司(産業技術総合研究所)
角五章(北海道大学)
葛谷明紀(関西大学)
平塚祐一(北陸先端科学技術大学院大学)
森島圭祐(大阪大学)
背景
DNA、微小管、分子モータなどの生体分子を組み合わせることで、分子人工筋肉をはじめとして様々な分子アクチュエータを創成することができます。小長谷研では、このような分子アクチュエータの創成を支援するための超分子設計支援システム、超分子シミュレーションシステムならびに可視化および触覚を可能とするVRシミュレーションシステムを開発しています。
関連記事
研究テーマ
- 超分子原子モデリング
- 超分子MDシミュレーション
- 仮想現実(VR)触覚デバイスインタフェース
- 仮想現実(VR)シミュレーション
超分子モデリング
DNA、微小管、分子モータのような生体超分子は従来のタンパク質のモデリングとは桁違いの原子数から構成されています。このような超分子からなる分子ロボット部品を原子レベルで正確に設計するために、1000万原子超の原子レベル超分子設計支援システムを構築しています。
超分子MDシミュレーション
1000万原子超の大規模MDシミュレーションならびに1億粒子規模の粗視化シミュレーションにチャンレンジしています。
仮想現実(VR)触覚デバイスインタフェース
タンパク質のような生体分子は複雑な3次元構造を構成するため、従来のような平面ディスプレイではその全体像を直観的に把握することは困難でした。この問題を解決するために、仮想現実(VR)を利用した超分子可視化インターフェースを開発しています。さらに、触覚提示デバイスを用いることで超分子の柔らかさを表現することにもチャレンジしてゆきます。
仮想現実(VR)シミュレーション
通常の可視化システムでは計算シミュレーションの途中状態をサンプリングして動画を生成するため、計算が終了してからでないと可視化できません。実時間可視化シミュレーションでは計算をしながら可視化するため、シミュレーション途中でパラメタや視点を変更することが可能となります。VRシミュレーションでは、これをVR環境で実現します。VR環境では通常のビデオレートの3倍にあたる90フレーム/秒の描画が必要となりますが、シミュレーションの世界に入り込み、仮想オブジェクトと人間が相互作用するという芸当が可能となります。
論文
- Kento Matsuda, Arif Md. Rashedul Kabir, Naohide Akamatsu, Ai Saito, Shumpei Ishikawa, Tsuyoshi Matsuyama, Oliber Ditzer, Md. Sirajul Islam, Yuichi Ohya, Kazuki Sada, Akihiko Konagaya, Akinori Kuzuya, Akira Kakugo: Artificial Smooth Muscle Model Composed of Hierarchically Ordered Microtubule Asters Mediated by DNA Origami Nanostructures, Nano Letters, Article ASAP (2019) .
DOI: 10.1021/acs.nanolett.9b01201 - Gregory Gutmann, Ryuzo Azuma, Akihiko Konagaya: A Virtual Reality Computational Platform Dedicated for the Emergence of Global Dynamics in a Massive Swarm of Objects, J. of he Imaging Society of Japan, 57(6), pp.647-653 (2018). PDF
DOI:10.11370/isj.57.647 - Ryuzo Azuma, Sae Kishi, Greg Gutmann, Akihiko Konagaya: “All-atom molecular dynamics of film supported flat-shaped DNA origami in water”, Chem-Bio Informatics Journal, 18, pp.96-118 (2018).
DOI:10.1273/cbij.18.96 - Greg Gutmann Daisuke Inoue, Akira Kakugo, Akihiko Konagaya: Parallel Interaction Detection Algorithms for a Particle-based Live Controlled Real-time Microtubule Gliding Simulation System Accelerated by GPGPU, Inter. J. of New Generation Computing (NGC), 35 (2),157-180 (2017).
DOI:10.1007/s00354-017-0011-5 - Greg Gutmann Daisuke Inoue, Akira Kakugo, Akihiko Konagaya: Real-Time 3D Microtubule Gliding Simulation Accelarated by GPU Computing, Inter. J. of Automation and Computing (IJAC), 19 Feb. 2 (2016), pp. 1-9.
DOI: 10.1007/s11633-015-0947-1 - Greg Gutmann Daisuke Inoue, Akira Kakugo, Akihiko Konagaya: Using a Master and Slave approach for GPGPU Computing to Achieve Optimal Scaling in a 3D
Real-Time Simulation, in Proc. the IEEE Ann. Int. Conf. on Nano/Micro Engineerd and Molecular Systems (NEMS), Matsushima, Japan, 17-20 April, (2016), A3L-E-4
研究発表
- 我妻竜三:DNAオリガミ全原子モデルのMDシミュレーション, 人工知能学会第67回分子生物情報研究会(SIG-MBI),合同研究会, 慶応大学矢上キャンパス, 2018年11月23日
- Greg Gutmann, 小長谷明彦:Experimenting with Molecular Objects in Virtual Reality, 人工知能学会第67回分子生物情報研究会(SIG-MBI),合同研究会, 慶応大学矢上キャンパス, 2018年11月23日
- Arif Pramudwiatmoko, 小長谷明彦:Haptic Interaction for Hand Tracking 3D User Interface, 人工知能学会第67回分子生物情報研究会(SIG-MBI),合同研究会, 慶応大学矢上キャンパス, 2018年11月23日
- 小長谷明彦: 分子ロボティクスの現状と今後の展望, 人工知能学会第64回分子生物情報研究会(SIG-MBI), 合同研究会, 慶応大学矢上キャンパス, 2017年11月25日
- 我妻竜三:千万原子数スケールの分子ロボット超分子モデリング, 人工知能学会第64回分子生物情報研究会(SIG-MBI), 合同研究会, 慶応大学矢上キャンパス, 2017年11月25日
- Arif Pramudwiatmok: How to Touch and Feel Biomolecules in Virtual Reality Environment, 人工知能学会第64回分子生物情報研究会(SIG-MBI), 合同研究会, 慶応大学矢上キャンパス, 2017年11月25日
- Gutmann Greg: Scalable Multi-GPU Simulation Framework for large-scale Interactive VR over Network, 人工知能学会第64回分子生物情報研究会(SIG-MBI), 合同研究会, 慶応大学矢上キャンパス, 2017年11月25日
- Ryuzo Azuma, Gregory Spence Gutmann, Arif Pramudwiatmoko, Akihiko Konagaya: Simulation approach to reconstruction of self-assembly structure of microtubules, SICE SSI2017, Shizuoka univ. Hamamatsu Campus, Nov. 26, 2017
- Ryuzo Azuma, Gregory Spence Gutmann, Arif Pramudwiatmoko, Akihiko Konagaya: Reconstruction of self-assembly structure of microtubules, CBI Conference, poster and oral presentation, Funabori Tower Hall, Tokyo, Oct. 3rd-5th, 2017