BIOMOD-JAPAN-2018において分子ロボット倫理について講演(2018-08-26、阪大)

分子ロボットの学生コンテスト国内大会 (BIOMOD JAPAN 2018)において、分子ロボット倫理に関する講演および学生チームのWIKIのEthics, Regal and Social Implication (ELSI)について講評をしました。今年の学生チームの完成度は高く、英語プレゼンテーションもこれまでになく上手になっていました。

ELSIに関しては、昨年度より、各チームの研究テーマと関連するELSI的課題を記述してもらっています。ELSIでは、いわゆる倫理教育の中心的課題であるコンプライアンス(法令遵守)にとどまらず、「技術の発展により将来的に発生しうる問題をいかにして予見し、それに対処するか」という未来志向的な発想が必要となります。

さらに、近年、Responsible Research and Innovation (RRI)という観点から先端的技術の評価(Technology Assessment)を行おうという動きが欧州を中心に活発化しています。ELSIはどちらかというと研究活動を見守るという立場ですが、RRIでは研究者ならびに技術者の視点から、自分たちが生み出す技術や製品が未来社会にどのようなインパクトをもたらすか、ということについて評価することが重要となります。

学生コンテストの場において、ELSIやRRIを議論することが学生および若手研究者が未来の分子ロボットを創成するときの一助となれば幸いです。