我妻特任助教の論文が公開されました(CBI Journal)

DNAオリガミ(約40万原子)、マイカ(約5百万原子)および水(約1260万原子)による全原子分子動力学シミュレーションでマイカ上でのDNAオリガミの伸張をシミュレーションしています。

Ryuzo Azuma, Sae Kishi, Greg Gutmann, Akihiko Konagaya: All-atom molecular dynamics of film supported flat-shaped DNA origami in water, Chem-Bio Informatics Journal, vol.18, pp.96-118 (2018)

DOI https://doi.org/10.1273/cbij.18.96

 

BIOMOD-JAPAN-2018において分子ロボット倫理について講演(2018-08-26、阪大)

分子ロボットの学生コンテスト国内大会 (BIOMOD JAPAN 2018)において、分子ロボット倫理に関する講演および学生チームのWIKIのEthics, Regal and Social Implication (ELSI)について講評をしました。今年の学生チームの完成度は高く、英語プレゼンテーションもこれまでになく上手になっていました。

ELSIに関しては、昨年度より、各チームの研究テーマと関連するELSI的課題を記述してもらっています。ELSIでは、いわゆる倫理教育の中心的課題であるコンプライアンス(法令遵守)にとどまらず、「技術の発展により将来的に発生しうる問題をいかにして予見し、それに対処するか」という未来志向的な発想が必要となります。

さらに、近年、Responsible Research and Innovation (RRI)という観点から先端的技術の評価(Technology Assessment)を行おうという動きが欧州を中心に活発化しています。ELSIはどちらかというと研究活動を見守るという立場ですが、RRIでは研究者ならびに技術者の視点から、自分たちが生み出す技術や製品が未来社会にどのようなインパクトをもたらすか、ということについて評価することが重要となります。

学生コンテストの場において、ELSIやRRIを議論することが学生および若手研究者が未来の分子ロボットを創成するときの一助となれば幸いです。

人工知能学会全国大会で学生が発表します(2018.6.5@鹿児島)

鹿児島で開催される人工知能学会全国大会で、小長谷研究室の加藤拓哉君(B4時)と津野駿幸君(M2)が口頭発表します。

加藤拓也,稲本万里子,小長谷明彦:深層学習法による源氏絵の流派推定,
人工知能学会全国大会(第32回),2D1-05,鹿児島,[2D1] AI応用-画像応用セッション,2018年6月6日 09:00 〜 10:40 D会場 (4F カトレア)

津野駿幸,稲本万里子,小長谷明彦:仮想空間上の灯明光源効果を用いた時代屏風の再現,人工知能学会全国大会(第32回),2K2-02,鹿児島,[2K2] ヒューマンインタフェース・教育支援-仮想・拡張現実・エージェントセッション,2018年6月6日(水) 13:20 〜 15:00 K会場 (3F あじさい・もくれん)

 

第3回分子ロボット倫理研究会を開催します(11月11日(土)田町CIC)

第3回分子ロボット倫理研究会 を開催します。奮ってご参加ください。

JST「分子ロボットELSI研究とリアルタイム技術アセスメント研究の共創」キックオフ大会

開催期日 2017年11月11日(土)13:00 – 17:00 
開催場所 東京工業大学(田町キャンパスイノベーションセンター)多目的室4
世話人  小長谷明彦(東工大)
参加費  無料 (当日参加も可能です)
懇親会参加登録 人数把握のためなるべく事前登録をお願いします。

開催趣旨

分子ロボットのような先端技術に関してはSF的な期待感あるいは恐れから様々な倫理的・法的・社会的影響(Ethical, Legal, and Social Implications、ELSI)の問題が浮上しかねない。このようなELSIの議論の盛り上がりは、論点の多様化と深化をもたらす反面、時として社会の中で議論すべき議題の混乱を招きやすい。これを解決するために、標葉グループが開発するリアルタイム技術アセスメント(RTTA)システムを活用する。RTTAを用いて分子ロボットELSIに関して技術・社会双方の幅広い知見・意見を集めることで、分子ロボットの推進に必要な原則案、基礎研究ガイドライン案、医薬品応用ガイドライン案の策定を図る。

プログラム
13:00 – 13:40
小長谷明彦(東工大):「分子ロボットELSI研究とリアルタイム技術アセスメント研究の共創」について
13:40 – 14:20
標葉隆馬(成蹊大学):「メディア分析から見る、分子ロボティクスの語られ方の可能性」
14:20 – 14:50
小野 喜志雄(順天堂大学):「BIOMOD2017参加報告:ELSIの観点から」
14:50 – 15:20   休憩
15:20 – 16:00
河原直人・塩塚政孝(九州大学・先端融合医療創生センター):分子ロボット技術に関する原理・原則の策定に向けて
16:00 -17:00
意見交換会
(グループに分かれて来場者も交えて「分子ロボット原則」について自由に議論します。意見交換が目的であり、とくに結論は出しません。)

17:30- 懇親会 (参加費4500円、田町駅周辺を予定)

JST「人と情報のエコシステム(HITE)」の平成29年度募集に採択されました(10月1日)

分子ロボットELSI研究とリアルタイム技術アセスメント研究の共創」(分子ロボットELSI:代表 小長谷明彦)がJST「人と情報のエコシステム(HITE)」の平成29年度募集に採択され、3年間のプロジェクトとして10月1日より開始しました。

情報技術・分子ロボティクスを対象とした議題共創のための「リアルタイム・テクノロジーアセスメントの構築(代表 標葉隆馬(成城大学))」との共創で分子ロボット研究に必要な原則、基礎研究ガイドライン案ならびに医薬品応用ガイドライン案の策定を行います。

ご参考:

HITE 平成29年度新規プロジェクト課題

第3回TechArt越境研究会(2017年6月14日、藝大)に参加

東工大と藝大の交流を目的としたTechArt越境研究会に参加し、「分子ロボティクス:ミクロ世界の人工物構築法」と題して発表しました。渋谷ヒカリエホールで開催した「科学・アート・デザインの実験」の時と同テーマでしたが、研究者のコミュニティということで少し技術的な内容にしました。

TechとArtの融合という、ある意味両極端にある技術領域ですが、大変興味深い発表が続き、内容の濃い研究会でした。今後も機会があれば参加してゆきたいと考えています。

 

東工大×ロンドン芸術大学セントラル・セントマーティンズ校合同シンポジウムで講演します(2017年5月27日、渋谷ヒカリエホール)

東工大×ロンドン芸術大学セントラル・セントマーティンズ校合同シンポジウム 「科学・アート・デザインの実験」において、分子ロボットおよびDNAオリガミの講演をすることになりました。

科学と芸術との融合。果たして、どんな議論になるのでしょうか。今から楽しみです。

5月27日のシンポジウムのプログラムについては こちら を参照ください。

科研費基盤A「分子ロボティクスによる糖尿病モデルマウス血糖値制御法の研究」が採択されました

分子ロボティクスの医療応用に向けて、多機能性リポソームを用いた血糖値制御法に関する研究が科研費基盤Aに採択されました。3年間で、マウスへの投与実験を目指して研究を進めたいと考えています。

 

 

第63回人工知能学会生物情報研究会(SIG-MBI)で講演(2017年3月24日,JAIST)

毎年恒例のAISTでのSIG-MBIにおいて、小長谷が「新学術領域「分子ロボティクス」の成果と今後」と題して講演しました。分子ロボティクスについて最初に講演したのは2013年3月のSIGMBIでしたが、その時のスライドを用いながら5年間の進捗と成果をアピールしました。

また、渡邊健太君が修論のテーマである「セマンティックネットワークを活用した医薬文書理解システムの構築」について講演し好評を得ました。

プログラムおよびアブストラクトについてはこちらをご覧ください。

 

 

1st International Symposium on Molecular Robot Ethicsを開催(2017年3月13日,東大本郷キャンパス小柴ホール)

JSTプロジェクト企画調査「分子ロボット技術に対する法律・倫理・経済・教育からの接近法に関する調査(小長谷)」の一環として、下記のシンポジウムを開催しました。

1st International Symposium on Molecular Robot Ethics
13:30-17:35 March 13th, 2017
Koshiba Hall, The University of Tokyo

同じく、JSTプログラム調査研究に採択された「リアルタイム・テクノロジーアセスメントのための議題共創プラットフォーム試作(標葉)」の吉澤先生のご協力により、テクノロジーアセスメントの専門家ならびに、ナノ技術、合成生物学の分野活躍されている倫理の専門家に来日して頂き、貴重な講演と有用な議論をさせていただきました。分子ロボティクスの健全なる発展を推進するためには、このような議論はきわめて重要なので、今後とも国際シンポジウムを継続してゆきたいと考えています。

プログラムおよびアブストラクトについては、こちらをご参照ください。